いばらき産保ニュース第147号


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発行日:2018年1月11日

ホームページ:http://www.ibarakis.johas.go.jp/

発 行:独立行政法人 労働者健康安全機構

茨城産業保健総合支援センター 所長 小松 満



【新年のごあいさつ】

【お知らせ】

【これから受講できるセミナー案内(無料)1月〜3月開催セミナー】

【労働衛生専門職より】


新年のごあいさつ

新年明けましておめでとうございます。 皆様におかれましては健やかに新年を迎えられたこととお喜び申し上げます。
産業保健においてはここ数年、長時間労働対策やメンタルヘルス対策が喫緊の課題となってきました。政府も「働き方改革」を重要な政策としています。

さて30年前、テレビには「24時間戦えますか」のCMが流れ、「ジャパン アズ ナンバーワン」がベストセラーになりバブルに浮かれていました。
長時間の残業は当たり前でしたが、世界からはワーカホリック、働きバチ中毒とさげすまれ勤労は美徳ではなくなりました。徐々に長時間労働対策がとられてきましたが、いまだに過労死や過労自殺が発生していることは残念でなりません。
一方、最近「健康経営」という考え方が広まり、従業員の健康を経営資源と捉え、職場の環境改善に積極的に取り組むことにより、組織の生産性の向上を図る企業が話題になっています。このような取り組みは、経営者や産業保健スタッフにとって理想的な活動です。
また、今年は新たに「第13次労働災害防止5ヵ年計画」が始まります。茨城産業保健総合支援センターは設立以来、労働者の健康確保対策に取り組んできたところですが、今までにもまして、メンタルヘルス対策、仕事と治療の両立支援対策、過重労働対策などを中心に労働者の健康確保に邁進してまいりますのでよろしくお願いします。

茨城産業保健総合支援センター 所長 小松満


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【お知らせ】

◇◇有害物ばく露報告対象物(平成30年対象・平成31年報告)の追加について◇◇

厚生労働省では、労働者に重い健康障害を及ぼすおそれのある化学物質について、「リスク評価」を実施し、必要な規制を実施しています。このリスク評価を行うに当たり、事業場において労働者が有害物にさらされる(ばく露)状況を把握するため、法令に基づいて「有害物ばく露作業報告制度」を設けています。
報告の対象となる物質について、年間500kg以上の製造・取扱いがある事業場は、例外なく報告が必要です。
報告の対象となる物質については、労働安全衛生規則第95条の6の規定に基づき厚生労働大臣が定める物等(平成18年厚生労働省告示第25号)により定められていますが、平成29年12月27日、告示の一部が改正され、平成30年1月1日から12月31日を対象期間とする物が新たに定められました。新たに有害物ばく露作業報告の対象となる物は次のとおりです。
コード240 テトラヒドロフラン 0.1%(重量%)以上
コード241 2,4,6‐トリクロロフェノール 0.1%(重量%)以上
コード242 フルフリルアルコール 1%(重量%)以上
労働安全衛生規則第95条の6の規定に基づき厚生労働大臣が定める物等の一部を改正する件の適用について
( 基発1227 第1号 平成29年12月27日)厚生労働省法令等データベース


◇◇健診機関・医療機関の担当者のみなさま−健診機関リストの更新について−◇◇

平成28年3月、茨城産業保健総合支援センターでは、茨城県内の健診機関・医療機関を対象として、労働安全衛生法やガイドラインに基づく健康診断やストレスチェックの実施状況に関する調査を行い、当センターホームページへの掲載に同意していただいた機関について掲載しております。

このリストは、随時更新しておりますので、ご確認いただき、新規掲載をご希望の方、既掲載内容に変更がある方は、当センターにお申し出ください。

事業場の健康管理担当者の方々にとって有益な情報なので、是非、ご協力ください。
健診機関リストはこちらからご確認ください。
茨城産業保健総合支援センター ホームページ「健康診断対応機関一覧」


▼「産業保健21」の送付について

情報誌『産業保健21』は、産業医をはじめ、保健師・看護師、労務担当者等の労働者の健康確保に携わっている皆様方に、産業保健情報を提供することを目的として、独立行政法人 労働者健康安全機構が発行しています。当センターより無料で送付しますので、当センターホームページよりお申込み下さい。
バックナンバーの送付をご希望の方も、当センターホームページよりお申込みください

『産業保健21』サンプル (労働者安全機構のサイトにリンクします。)

申込みは、こちらからどうぞ!
 ・「産業保健21」送付希望とご記入下さい。
 ・事業場と異なる場所への送付をご希望の際は、○○へ送付希望とご記入ください。


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これから受講できるセミナー案内(無料)<平成30年1月〜平成30年3月分>


<開催会場案内>
 水戸:水戸FFセンタービル会議室11階(旧、住友生命水戸ビル)
     (水戸市南町3-4-10 水戸FFセンタービル 11階)
 土浦:ワークヒル土浦(土浦市木田余東台4-1-1)<ワークヒル土浦のHPにリンクします>
 鹿嶋:鹿嶋勤労文化会館(鹿嶋市宮中325-1)<鹿島勤労文化会館のHPにリンクします>
 日立:日立地区産業支援センター(日立市西成沢町2-20-1)
     <日立地区産業支援センターのHPにリンクします>
 医師会:茨城県医師会(水戸市笠原町489)<茨城県医師会のHPにリンクします>
 労基協:茨城労働基準協会連合会中央安全衛生教育センター (水戸市渋井町字堺橋263-1)
     <茨城労働基準協会連合会のHPにリンクします>

筑波大:筑波大学健康医科イノベーション棟(つくば市天王台1-1-1)<筑波大学のHPにリンクします>


開催日時 テ ー マ / 講 師 開催会場 定員
1月18日(木)
18:30-20:30
「職場の感染症対策」
講師:矢野晴美先生(筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター 水戸協同病院グローバルヘルスセンター感染症科 筑波大学医学医療系教授 岡山大学客員教授)
【概要】グローバル社会では、日本国内で、新しい感染症が発症したときのための準備を心がけておくことが必要です。今回の研修会では、「職場の感染症対策」について、国内で流行している感染症や海外で働く際に留意すべき感染症など正しい知識を持っておくべき内容等について講義します。
※講師の矢野晴美先生は、NHK総合「総合診療医ドクターG」に出演した(2014年4月
18日放送)感染症専門医です。
土浦 30
1月24日(水)
13:30-15:30
「ストレスチェック制度について」
講師:松井玄考先生(産業保健相談員、労働衛生コンサルタント、社会保険労務士、
元和歌山労働局長)
【概要】ストレスチェック制度のあらましについて説明します。労働者数50人未満の事
業場のストレスチェックについては、助成金制度や地域産業保健センター事業を活用することにより費用負担がかなり軽減されます。また、厚生労働省の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」(メンタルヘルス指針、平成18年3月策定、平成27年11月30日改正)では、「心の健康づくり計画」の策定が必要とされていますが、ストレスチェック実施計画を含めて「心の健康づくり計画」を作成することができますので、併せてご説明します。
これからストレスチェックを実施しようとする事業場、これから心の健康づくり計画を作
成する企業、労働者数50人未満の事業場の担当者の方は是非、ご参加ください。
土浦 30
2月1日(木)
14:00-16:00
「キャリアの視点から考える治療と職業生活の両立支援」
講師:砂川未夏先生 (特定非営利活動法人日本キャリア開発協会講師、2級キャリアコンサルティング技能士)
アシスタント講師:矢部悦子先生 (特定非営利活動法人日本キャリア開発協会講師、国家資格キャリアコンサルタント、 産業カウンセラー、キャリアマネジメント(株)代表取締役)
【概要】産業医、産業看護職等の方々に、両立支援におけるキャリアコンサルティングの必要性とアプローチについて下記の内容を通してご理解いただきます。
1)今なぜ両立支援におけるキャリアコンサルティングが注目を浴びているのか
2) キャリアコンサルティングとは何か(内容とアプローチ)
3) キャリアコンサルティングの効果
4) 事例検討(診断時、治療中、復帰時、復帰後等)
講師の砂川未夏先生は、日本キャリア開発協会JCDA治療と仕事の両立支援促進プロジェ クトリーダーを務めておられます。こちらをご覧ください 是非ご参加ください。
水戸 30
2月27日(火)
13:30-15:30
「ストレスチェック実施後の集団分析結果に基づく職場の環境改善 〜過重労働解消のヒント〜」
講師:片倉薫先生
(労働衛生コンサルタント、薬剤師、元株式会社ツムラ研究総務課課長補佐)
【概要】法に基づくストレスチェック、健康診断、作業環境測定については、実施はするものの、そこから先の取り組みがされていない職場は多いのではないでしょうか?
いずれも職場環境を数値化した客観的なデータですので、有効に使うことができます。
本セミナーでは、ストレスチェック実施後の集団分析結果を用いて職場環境の改善に取り組んだ企業の事例や職場の環境改善によって過重労働を解消した事例を紹介します。
また、健康経営優良法人認定制度(経済産業省)や安全衛生優良企業公表制度(厚生労働省)について説明します。認定に興味のある企業の担当者の参加をお待ちしています。
嘱託産業医の先生方にとっても役立つ内容です。
水戸 30
3月1日(木)
18:00-20:00
「放射線と健康診断」
講師:大原潔先生(産業保健相談員、総合病院土浦協同病院放射線科顧問)
【概要】健康診断では、負担が少ない検査が行われ、結果も定性的・定量的であることが多く、異常を診断しやすい。
しかし、X線検査では被ばくを伴う上に、まず異常の有無を読影する必要があります。
医療被ばくは、職業被ばくや公衆被ばくと異なり、意図的に放射線を人体に照射したり、放射性物質を身体内に投与したりしますが、医療被ばくに伴う放射線の影響に比べてはるかに大きな利益、たとえば病気の発見、症状の判断など利益をうけることがはっきりしているからです。X線検査による医療被ばくを中心に健康診断の功罪について解説します。
水戸 30
3月8日(木)
13:00-15:30
「検知管の手法を用いた化学物質のリスクアセスメントの実習」
講師:岩崎芳明先生(産業保健相談員、筑波労働コンサルタント事務所長、元(株)三菱化学アナリテック分析事業部環境分析センター長)
【概要】化学物質のリスクアセスメントが平成28年6月1日に施行されました。
多くの事業所ではコントロールバンディング法を用いてリスクアセスメントを実施していると思われますが、この方法の問題はリスクレベルが高く評価される点にあります。
特に、エタノールはGHS分類で発がん性が区分1に分類されているため、高リスクに評価されます。
セミナーでは、この問題の解決法としてエタノールの検知管を用いたリスクアセスメントの実習を行います。
土浦 30
3月13日(火)
18:00-20:00
「業務上疾病の労災補償と小規模事業場の労働衛生管理」
講師:野口清先生(労働衛生コンサルタント、社会保険労務士、元労働基準監督署長)
【概要】平成28年は全国で7361件の業務上疾病が発生しました。
最も多い疾病は災害性腰痛(4,722件)、次いで熱中症(462件)であり、振動障害、鉛中毒症、職業がん、じん肺症などの遅発性疾病は相対的に発生件数が少ない状況です。
労災補償の対象となる疾病は「職業病リスト」で定められており、業務と疾病との間の因果関係が確立していると認められた疾病は「職業病リスト」に追加されます。
本セミナーでは、追加の背景、労災認定の基本的な考え方、業務上疾病の認定基準について説明し、遅発性の業務上疾病の防止対策、比較的小規模の事業場における労働衛生管理について説明します。
講師は、労働基準監督官として、長年、小規模事業場の監督指導に従事し、現在は地域産業保健センターで小規模事業場の労働者の健康管理の業務に関わっている専門家です。
水戸 30

<産業保健セミナーを受講される皆様へ>  

  1. ホームページから申込みを行ってください。
  2. 主な受講対象者については、ホームページをご覧ください。
  3. 受講者は、産業保健セミナーが開始される5分前には、席に着いていただくようお願いします。
  4. 日本医師会認定産業医制度産業医学研修会の単位については、開始時間に遅れた場合、会場に入れないことがありますので、特に注意してください。
  5. 日本医師会認定産業医制度に係る産業医学研修会の認定については、ホームページで ご確認ください。

<産業保健セミナーの受講を申し込まれた皆様へ>
 産業保健セミナーの受講を申し込まれても受講されない方が見受けられ、他の方に迷惑を及ぼしています。
 つきましては、以下のようにさせていただきますので、ご了承ください。

  1. 欠席される場合は、必ず当総合支援センターに電話・メール等でご連絡ください。
  2. 欠席が目立つ方は、ご連絡をさせていただき受講をお断りする場合があります。

<認定産業医の皆様へ>
 現在お持ちの生涯研修手帳(数年前更新時に発行された手帳)の番号と産業保健セミナーでお渡ししている日医シールの番号が若干違っています。これは平成22年度版から日医産業医制度実施要綱が改正になっているためです。番号が違っている場合は、似た項目のところに貼っていただければ手帳の更新時に茨城県医師会で確認します。

※ 先着順になりますので、お早めにお申込みください。

※ 有料駐車場をご利用の場合、参加者のご負担となりますので、ご了承ください。
    できるだけ公共交通機関をご利用ください。

※ 受講のお申込みは、当総合支援センターのホームページ、FAX、メール等でお申込みください。

※ セミナーに関する講話の概要並びに主な受講対象者、日本医師会認定産業医制度の単位認定研修、講師等セミナーについての詳細は こちらをご覧下さい。


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総合支援センターからのご案内

▼産業保健の「相談」をお待ちしています!!
 当総合支援センターでは産業保健に関するあらゆるご相談に応じています。電話、FAX、メールでも結構です。
(※「メール」が便利です。)
費用は「無料」ですので、お気軽にご相談ください。
また、「個人情報」は守られていますので、ご心配いりません。最近はメンタルヘルスに関する相談が大変増えてきました。

※相談フォームはこちらをご利用ください。


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労働衛生専門職より

戦後の我が国の労働衛生の歩みは、けい肺法制定の運動で始まりました。

特に見逃せないのは、昭和21年6月、古河鉱業足尾工業所において、「鉱山復興町民大会」がそれです。
町民の食糧危機を救済せよ、鉱山復興対策を急ぎ確立せよ、といった問題について現状改善を訴え、そのスローガンの中で異彩を放ったのは、古くから鉱山特有の疾病である「よろけ」つまり「けい肺」について国家的保障の強化を求め、よろけの撲滅を強調しました。

この訴えは、関係方面に波紋を広げ、労働組合運動にも広がり、昭和22年全日本金属鉱山労働組合連合会は、特別法の制定促進運動をスタートさせ、金属鉱山関係の労使団体で構成する金属鉱山復興会議でも、昭和23年「鉱山労働者珪肺対策に関する建議」を衆参両議院議長に提出しました。

行政面では、昭和22年労働基準法の施行に伴い、労働省労働基準局労働衛生課で検討が急がれ、新しい角度から立法化を目指して準備が進められていました。

昭和23年1月、職業病防止対策要綱に基づいて設けられた「けい肺対策審議会」(のちのけい肺審議会)では、すでに具体的な審議に入っており、対策の一つとして、
@実態把握のためのけい肺巡回健診、時期を2回に分けての全国の金属鉱山を主な対象。
A昭和24年、けい肺診療所の設立(当初の病床20床、栃木県)
B昭和25年、けい肺診療所の隣接地に病床70をもつ新診療所の開設 など
急速な進展を見ました。

国会においては、昭和27年、衆議院労働委員会にけい肺対策小委員会が設置され、知識人からの意見や実情視察も行われました。

このような経緯を経て、昭和28年の第16回国会において、社会党と無所属有志議員の共同提案によって、「けい肺法案」が提出され、その後の第18回国会で審議未了とはなりましたが、政府与党の立法化の気運を著しく刺激しました。

労働省では、昭和30年4月「けい肺特別保護法案要綱」を作成して、けい肺対策審議会に諮問し、その答申を得て同法案が国会に上程され、与野党の指示を受けて4月27日可決成立し、9月1日施行されました。
同法案の審議過程で、外傷性せき髄障害をもつ者にも特別の保護をすべき、という意見があり、法律の名称も「けい肺及び外傷性せき髄障害に関する特別保護法」と修正されました。
この法律は、環境整備、作業方法の改善による発じんの抑制防止などの具体的措置については、まったく触れられていませんが、実質的な意味で労災保険法の改正であり、労災保険の給付体系に改革をもたらす第一歩となっています。 なお、この特別保護法は、昭和34年12月末までに、改正に関する法律案を国会に提出するよう政府に義務付けた条項がありました。
そのため労働省では、けい肺審議会に法改正を諮問し、同審議会では再三にわたり改正点の検討を進めました。

その結果、決まった答申案は、

  1. 適用対象をけい肺にとどまらず、医学的に実態が明らかにされてきた石綿肺、アルミニューム肺など鉱物性粉じんの吸収によって起こるじん肺のすべてに拡大する。
  2. 予防手段として、使用者に粉じん抑制除去のための必要な措置をとらせる。
  3. 環境、工学的改善を強化する。
    など が主な点でした。

答申を受けた労働省では、直ちに立法作業を始め、昭和34年12月「じん肺法」として国会に提出し、昭和35年3月に原案通り可決され、4月1日より施行されました。

次回は、高度経済成長期の労働災害等を記載いたします。


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次回の第148号は、平成30年2月配信予定です。



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